260:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:51:16.31 ID:ZdvxIxQI0
その言葉を聞いてすぐに、彼女を抱きしめたい気持ちが襲ってくる。
我慢しろよ、という心の声に、我慢する必要なんてあるのか? と答える。
「……あー、なんだ」
「……うん?」
「……」
なんというか。
理性とは違う別の何かが邪魔をしている気がする。
そう、余裕がないんだ。いつもだけど。
我慢すべきではないけど、我慢しなさすぎもよくないというか。
……いや、どの口が言ってるんだか。
「抱きついていい?」
と口に出してみてから気付く。
どうやらこれまで本気だと思わないようにしていた反動が来ているらしい。
「わざわざ訊かなくても……いいよ」
抱きつきやすいように、彼女は掴んでいる腕を軸にして俺の前へとターンする。
確認のためなのか再度言われた「いいよ」という声は、無駄な思考を完全に断ち切らせるほどに、甘く聞こえた。
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