22:名無しNIPPER[saga]
2018/02/17(土) 18:12:08.50 ID:rPbMqZ0L0
【確認】
行き道はそうではなかったが、帰り道では荷物を持っていない方の手を繋ぐことにした。
部室を出てからずっとそうしてほしそうな顔をしていたことや、先に指を触れさせてきたのは奈雨からだったこともあったけれど、手を取ったのは俺からだった。
広い歩道を並んで歩く。この時間帯になると、行き交う人の中に学生らしき姿は窺えない。
月明かりに照らされた彼女の頬は僅かに上気していて、目を合わすとぱあっと笑顔を向けられる。
正直に言えば、ソラのお節介──気遣いはありがたいものだった。
もっと言えば、彼と胡依先輩の返信を待っていた時間も、全てが無駄というわけではなかった。
というのも、二人で他愛のないことを話す時間を取れて、よそよそしくも感じられた距離感を平常のものにまで戻せたから。
ただ、あのときのことを思い返すと、部屋で二人きりになる以前の佑希との諍いについてもセットで考えてしまう。
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