195:名無しNIPPER[saga]
2018/06/29(金) 01:42:27.98 ID:CaJ2VfCb0
「だって、こうしてちゃんと話せてるじゃない」
目線を合わせて、「わたし」の頭を撫でる。
なぜかそのとき観客席の一部が沸いた。気を取られている間にも、話は進んでいる。
「なに? まだ訊きたいことでもあった?」
「……あなたの名前、知りたいの」
「アタシの名前? いや、べつにいいけどさ」
エリ、と少女は言った。
「わたし」は一文字一文字を確かめるように、"エリさん"と少女の名前を呟いた。
それから二人はたまに庭で会っては、何てことのない話をするような関係になった。
シーンが変わるにつれて「わたし」のエリに対する警戒心も解けていき、最初は一人分程開いていた間が徐々に詰められていった。
エリは「わたし」のことを知っているかのような振る舞いをした。
反対に、「わたし」はエリのことを知りたがった。どうして? と訊ねられると、何となくです、と言っていたが多分そうではないだろう。
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