171:名無しNIPPER[saga]
2018/06/29(金) 01:20:29.57 ID:CaJ2VfCb0
【文化祭 1ー2】
耳に届く賑やかな声も、漂う美味しそうな匂いも、この部室の中ではどこか遠いものに感じられる。
文化祭は始まった。けれど、何もすることがなければ実感はやってこないらしい。
「私たちもどこか行きますか?」
ためしにすぐ近くで死人のような寝方をしている彼女にそう声を掛けてみると、
「ねむい」
とただ一言だけが返ってきた。目を向けてすらくれないのだから本当に眠いようだ。
立ち上がり、窓辺に身を寄せ、手持ち無沙汰をあらわすようにため息をつく。
クラスの方も、べつに私が出ても出てなくても変わらないし、すすんで行きたくもない。
だから部長さんがここから動きたくないなら、私も同じように動かないのが一番かもしれない。
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