159:名無しNIPPER[saga]
2018/05/29(火) 01:33:56.17 ID:xutan3/t0
「わたし、もう言えるよ。お兄ちゃんに言いたかったこと、ちゃんと言えるよ」
「……」
「まだちょっとだけ怖さはあるし、それはなくそうとしてなくせるものじゃない。
あのときよりは怖くなくなった、って証明をするのも難しいことなんだと思う」
だからさ、と彼女は言葉を繋いで、
「明日、わたしのことをちゃんと見ててほしい」
俺がどんなことを考えてるかをわかった上で、奈雨はそう言っているのだと思う。
誰かと何かを比べれば答えは簡単に出る。でも、そんな答えはすぐになくなってしまう。
きっと奈雨が比べたいのは"過去の自分"だ。
だって今の自分を認めるには、それ以外の手段なんてないのだから。
「わかった」と俺は頷いた。
「ちゃんと見てるから」
「……うん」
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