160:名無しNIPPER[saga]
2018/05/29(火) 01:35:12.52 ID:xutan3/t0
まだ話をしたい気持ちもなくはなかったけれど、さすがにもう遅いし寝ようと、
文化祭やあれこれについて二、三やり取りをしてから室内に戻ることにした。
話しているうちに自然と奈雨の手のひらは上を向いていて、しっかり俺の手をとらえていた。
繋いでしまうと離したくなくなるのはいつものこと。それは奈雨も同じようで、ベッドに乗ると俺の手をぐいと引いてきた。
今更ながら逡巡する俺に「わたしの緊張をほぐしてくれるんじゃなかったの?」と言った奈雨の顔は暗闇で見えなくて、
売り言葉には買い言葉だろうと「そっちの方が余計緊張するんじゃない?」と返すと拗ねたような声とともに手を引く力が強くなった。
俺はさして抵抗しなかった。
「そういえば……」
と横向きで向かい合ったまま、奈雨は口を開く。
「お兄ちゃんって寝相いいよね」
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