126:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 00:42:46.00 ID:MVi1fTqy0
【SS-]/Four-Leaf Clover】
犬の鳴き声がして、後ろを振り返りました。
白いコートに紫色のマフラー。手には少し大きめの袋を握っていました。
そんなことはありえないと、思わず目を疑いました。でも、近付いてくる人は紛れもなく彼女でした。
どうして泣いてるの、と彼女は言いました。
答えたくなくて、涙をごまかしたくて、私は彼女に背を向けました。
来てくれると思った、と彼女は言いました。
すぐ隣に何のためらいもなく腰掛けて手を握る彼女を、私は拒むことができませんでした。
わたしは毎日待ってた、と彼女は続けます。
毎日待ってて、ちゃんと気持ちを伝えようと思ってた。
わたしにはあなたが必要なんだって、どんなことがあっても側にいてほしいって言おうと思ってた。
初めて会ったときからあなたはわたしの特別な人で、会うたびにどんどん気持ちが大きくなって、でも、変えてしまうのが怖くて。
いつかのように抱き寄せられます。けれど、そのときとは違って彼女の身体は温もりで満たされていました。
"弱さ"は"強さ"になるんだよ。
私の"弱さ"は、ただの"弱さ"だから。あなたを見て、そう思ったから。
だから、わたしはあなたから離れられない、と彼女は言います。
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