127:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 00:43:22.67 ID:MVi1fTqy0
数分間に渡っての沈黙の後、私もそうなのかもしれません、と返しました。
知ってる、と彼女は言います。
それも知ってました、と私は返しました。
彼女の言葉は優しすぎて嘘みたいでした。
でも、彼女はもう私という人間から切り離せない存在なのです。
彼女の名前も身体も声も、すべてが私にとって重要なものです。
あなたの弱さを教えてください、と思ったことをそのまま伝えました。
それはいいけど、ふたりでクリスマスケーキを食べてからね、と彼女は笑いました。
私は、少しの迷いを断ち切って、彼女の唇に自分の唇を押し付けました。
照れたように目を丸くする彼女が新鮮で、
でも、それまで見たなかで、一番嬉しそうな顔をしていました。
手を絡めました。もう片方の手で涙を拭ってくれました。
ずっと好きだったの、と彼女は言いました。
私もですよ、と彼女に向けて、精いっぱいの笑顔を見せました。
ほんとうは、駄目なのだとしても。叶わないものだとしても。いつか壊れてしまうものだとしても。
彼女の瞳に映るものが、ずうっと私だけのままであったら幸せだな、と思います。
私は、彼女のことが大好きです。今も、そしてこれからも。
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