125:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 00:41:58.53 ID:MVi1fTqy0
【結び】
最後の文を結び終えると同時に、得も言われぬ脱力感が私の身体を襲ってきた。
結局描いたものを提出したのは私が一番最後だった。
部長さんは私に言っていたよりも早くに完成させて、私の分の修正作業までしてくれた。
夕暮れ時の部室に残っているのは彼女と私だけだった。
あの、と彼女を呼ぶと、ちょっと気だるげで間延びした声が返ってくる。
「最後まで書き終えました」
「ん、そっか。おつかれさまでした」
嬉しげに笑いかけられて、はっきりと頷く。
「読んでいい?」
「どうぞ」
こういうものが書きたかったから、というより、これ以外には書けなかったから。
踏み出せずにいた一歩目。踏み出そうとした一歩目。踏み出してしまった一歩目。
私は──彼女たちは"それ"を選んだ。
これからの未来に、どんなことが待ち構えていたとしても。
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