追われてます!'
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116:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 00:29:47.08 ID:MVi1fTqy0

「……わっかんないかなあ。この荷物は見るからに重そうじゃないでしょ? てかシノちゃんも詰めるときに持ってたよね?
 だから口実だよ口実。手を繋ぎたいんだけどちょっと恥ずかしいからオブラートに包んで遠回しに婉曲してるわけなんですよ」

「はあ」

 早口でまくし立てられても……。
 恥ずかしいようなことは二人きりだといつも言ってる気がするし、

「それならそうと言ってください」

 袋とは反対の、空いている方の手を取る。
 これまでだって何かの拍子に手くらいは握られていたし、べつに拒否することでもない。

 と思っていたのだが、彼女は本当に恥ずかしそうに俯く。
 同時にじんわりとした感覚が手のひらに広がる。

「やっぱりシノちゃんってたまに覚醒するよね……」

「どういうことですか?」

「それはほら。自分の胸に聞いてみて」

 埒があかないので一瞬だけ強く手を引いて歩き出すことにした。やっぱり疲れやらが溜まっているのだろうか。




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