107:名無しNIPPER[saga]
2018/04/20(金) 01:47:25.97 ID:fFo8HSJq0
ちゃんとわたしを見てくれるなら──、奈雨はそう言っていた。
買い出しの帰り道で、話の流れに従ったとはいえ奈雨への好意が恋愛的なものであると告げた。
それが答えになったのかもしれない。だから、と考えるのはさすがに短絡的だし自惚れすぎか。
でもこんなことばかり考えていたら、次会ったときに絶対唇を見てしまうと思う。
そういうふうには──いまさらどうこう言えないとは再三思っているけど──思われたくない。
これ以上は危険だ、と左右に頭を振ると、
「おい色惚け。妄想してんじゃねえよ」
と目の前からため息が飛んでくる。
「妄想はしてねえよ」
回想はした。
ソラはもう一度、今度は俺に見せつけるようにため息をつく。
「……まあ、その様子だと楽しんでるっぽいな」
「そう?」
「おう。一緒にいて楽しい相手がいるのはいいことだ」
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