3: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/02/08(木) 07:51:59.20 ID:9Wp9vh8Yo
「それでも枠は限られてるんですから。私的には、こういう即戦力になりそうな子をもっとですね」
「そりゃ、優先的に採用するべきってのは俺も分かってるんだけどさ……」
渡された資料を眺めてみる。
それはさっきの矢吹って子とは比べ物にならないほどの好成績。
……と、いうか本日のオーディション組では殆ど一番に近い点数を取っていた子の物だった。
「ゆくゆくは――なんて、悠長には言ってられませんからね。
なるべく早く39プロジェクトのメンバーだけでシアターを黒字にできなくちゃ」
「くっ、なら採用枠を増やしてくれ……!」
「だったら外回りのたびにスカウトして帰るのを止めてください」
俺は律子から見事なカウンターを貰って机の上へと突っ伏した。
と、そのタイミングで部屋の扉がノックされる。
「どうぞー」
呼びかけると、入って来たのはモデルのように目を引く美人な女の子。
噂をすればというヤツで、彼女は律子が言うところの最近スカウトした事務所の新メンバーだった。
……所恵美。まだデビューをしてない彼女には、
今日のオーディションの裏方を手伝ってもらっている。
「あのさ。そろそろ休憩あける時間だけど、面接ってすぐに始めるワケ? ……さっき廊下で訊かれてさ〜」
「おっと、もうそんな時間か。……控え室の空気はどんな感じだい?」
「控え室? うーんとね……」
訊くと、彼女は思い出すように腕を組んで。
41Res/42.06 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20