50: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/02/08(木) 02:21:34.06 ID:1k4n5Mtx0
○
ひとしきり話して、束の間の沈黙が訪れる。
今日という日の成功を、お互い噛みしめていた。
「大成功、だったなぁ」
しばらくして、プロデューサーさんがぽつりと呟く。
「うん。って、また泣いてる」
「なんか緊張解けたら、ダメだった」
「はいはい、ほらハンカチ貸してあげる」
「……ありがとう。加蓮」
「んーん。お礼を言うのはこっちの方だし」
「……思えばさ」
「……ん?」
「運命的だよなぁ。俺らの出会いって。奇跡的って言ってもいい」
「あ、初めて会った時のこと?」
「ああ。加蓮が落とした財布を拾ってさ」
「……ねぇ、今からちょっとずるいことを言うんだけど、怒らない?」
「? ああ、怒らないけど」
今から、私は彼に全ての種明かしをするつもりだ。
そうしたら、プロデューサーさんはどんな顔を、するのかな。
また泣くかもしれないな、と思うと、ちょっと楽しみだ。
おわり
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