北条加蓮「運命的、あるいは作為的」
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49: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/02/08(木) 02:20:03.18 ID:1k4n5Mtx0



出番が終わり、アタシたちは楽屋へと戻る。

衣装のまま安っぽいパイプ椅子に腰かけて、大きな大きな息を吐いた。

それは憂いからくるものではなく、安堵からくるものだ。

何を隠そう、ステージは自分でもびっくりするくらいの大成功で終わることができたのだった。

「お疲れ様。これ以上ない、最高のステージだったよ」

「うん。自分でも驚いてる」

「これが第一歩、だな」

「だね。その……ありがと。今まで」

「何、急に改まって」

「思えば、お礼を言う機会、なかったなぁ、って。実は、ずっと言いたかったんだけどさ、なんか自信ないやら恥ずかしいやらで言いだせなくて。それで今なら言えるかな、って。だから、ありがと。プロデューサーさん」

「こちらこそ、どういたしまして。そして、これからもよろしく」

「うん。よろしくお願いします」

「……それにしても、プロデューサー“さん”かぁ」

「何、さん付けしちゃおかしい?」

「いや、ううん。ちょっとくすぐったいけど」

「あとさ、これからは名前で呼んでよ。アタシ……私のこと」

「一人称も変えてくんだ」

「こっちの方がお淑やかでしょ?」

「さぁ、どうかなぁ」

「もう……あはは、楽しかったなぁ」

本当に本当に、楽しかった。



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