北条加蓮「運命的、あるいは作為的」
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5: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/02/08(木) 01:45:00.20 ID:1k4n5Mtx0



病室に戻されて半時ほど過ぎた頃、服を着たまま川遊びでもしてきたのではないかというくらい全身をぐっしょり濡らした母がやってきた。

「そろそろ切れるかと思って」

母は疲れた顔で笑って、アタシにテレビカードを差し出すと、医師に導かれてどこかへ行ってしまう。

まだ少し残額のあるテレビカードを無造作に放り投げ、新しいものを挿し込んでテレビをつけた。

輝くドレスを身に纏って、スポットライトを一身に浴びて、歌い踊るアイドルの姿が映し出される。

ああ、ああ、アタシもこう在れたら。

そんな自分の姿を夢想して、一層虚しくなった。



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