ある旅人の日記
1- 20
8:羽根ペン ◆u/aQt5mEvU[saga sage]
2018/02/08(木) 01:14:51.12 ID:+hXTJ6cp0
 アーレ歴248年花の月27日 天候 曇り

 無事に山を越えることが出来た。道中怪しげな気配は一切なかった。

 山の一番高い所から見た景色は美しい物だった。子供のころここを通った時は景色を見る余裕はなかった。そういう意味では私も大人になったのだろう。

 こちら側にも大きな街がある。しかし、外敵からの要塞に転用することが出来るように取り囲む外壁は強固にできている。それ以外は前の街とほとんど変わらない。強いて違いを上げると、どちらかと言うとこちら側の傭兵の方が田舎っぽい。と言うところだろうか。しかし、ここも十分首都に近いのでかなり垢ぬけているのではあるが。

 そうそう。商隊の皆とは円満に別れることが出来た。報酬もしっかりと貰うことが出来たし、旅の上でいくつかの知見を賜ることもできた。有用なのは物価の見かただろうか。買い物等は基本的にエリに任せていたので、そこのあたりは疎いのである。

 旅に出てからもエリの影が私にくっついているのは、やはりそれだけ彼女の世話になっていたのだろう。余りにそう思うため、半ば衝動的に手紙を書いてしまった。内容はまあ、感謝の類だ。首都に向かうらしい商人に手紙を渡した。居なくなってから気が付くというのはこういう事なのだろうか。

 明日からは主要街道を逸れて北側に向かうことになる。ここからは商隊の数は減り旅人も減るため気を引き締めていこうと思う。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
23Res/19.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice