ある旅人の日記
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9:羽根ペン ◆u/aQt5mEvU[saga sage]
2018/02/08(木) 01:21:17.54 ID:+hXTJ6cp0
 アーレ歴248年花の月28日 天候 曇り後雨

 この旅で初めての雨である。別段騎士団で行軍中に雨に降られたりすることは多かったし、さして珍しい物でもないのだが、たった一人の旅人として雨に降られるのはまた違った趣がある。

 雨脚が強くなったら木の下に隠れ、雨粒が葉を叩く音を聞く、と言うのは初めての経験だ。

 そう言えば子供のころ首都に一人向かった時、私は雨に降られることはなかった。それはとても幸運だったのだ。今頃そんなことに気が付いた。もし、あのころに戻れるのだったら、この無茶を止めるだろうか。どうだろう。きっと止めない気がする。そうだな、やはり止めない気がするな。

 雨に降られながらもしっかりと書ける、この魔法が掛っているという本もまがい物でないことが分かったし、今日はさっさと寝ることにする。暗い道は危険なのだ。



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