ある旅人の日記
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7:羽根ペン ◆u/aQt5mEvU[saga sage]
2018/02/08(木) 01:04:43.81 ID:+hXTJ6cp0
 アーレ歴248年花の月26日 天気 晴れ後曇り

 今、私は山道のちょうど中間地にある要塞のほど近い所に陣を構えている。陣とは価値の低い物を乗せている馬車を円状に、高価な方を中心に置くことで不意の襲来に耐えるものである。

 そして、今日商隊の商人からは色々な話を聞くことが出来た。

 例えば旅人が持つべき物で、いざと言う時に換金することが出来る宝石類は持っておいて損はないらしい。私の場合は剣を売ればいいと言われたが、さすがにそれは難しい注文である。どこかのタイミングで宝石は手に入れようと思う。

 他にも、地方ごとの特産品や名勝を教えてくれたが、それらはアーランドの事柄が多く、他の地域についてはあまり詳しくなかった。話を聞くに言語ごとに商隊の行動範囲が決まっているらしかった。

 山の一番高い所を通るのは明日だが、今日の夕方ごろに見ることが出来た、夕日に焼ける平野は実に美しい物だった。首都とその周辺に住む民を育む豊かな大地はそれ相応の壮大さを持っていた。

 そうだ、この山地の名前がついているロズール要塞について一つ書いておきたいことがある。私が騎士団に入って最初の仕事があそこの要塞に手紙を届けることだった。だからと言ってどうと言うことはないのだが、その当時とほとんど変わらずに要塞が立っているのは実に感慨深かったのだ。

 田舎までは大体半分と言ったところだ。



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