18:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:49:43.82 ID:kLIsZwOI0
暗闇からも勧誘の声がする。群れの中からもなぶるような視線をまじまじと受けていた。
思案する。ここで大人数になるのも心強い。群れに入ってじっくり誘拐犯の家を探すのも悪くないのかもしれない。もしかしたらALISONの家を知っている猫もいるかもしれない。
しかしいかんせんBNKRGは先程頭をよぎった『猫の体で定着』という言葉が頭を離れなかった。
「い、いやよ、私他の群れだし」
19:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:50:11.05 ID:kLIsZwOI0
「あのさぁ…」
「じゃあ群れの名前を教えてくれるかな?」
「入群キャンセルはキャンセルだ」
「どうして?どうして入ってくれないの?僕が馬鹿だから?僕は馬鹿じゃない!僕は馬鹿じゃない!!」
「これ以上追求したら困惑しちゃう、もういいよ、やばいやばいやばい」
20:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:50:47.06 ID:kLIsZwOI0
「あのさ、嘘は良くないと思うんだけどさ」
GOに図星をつかれた。
「お前とりあえずぅ、群れに入ってこい」
21:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:51:23.31 ID:kLIsZwOI0
「まま、そう焦んないで。あのー一応個人的なんだけど……入群する条件あって、一つだけだから」
「入群する条件?」
「どこにもあるものだけどね。うちはセッ○スで、異性でも同性でもみんな新入りと一度はやれる権利があるんだ」
「は?」
「群れに入れなくてぼっちになってたんだろ?入群条件欲しいんだろ?あげるよ。パパパッと全員と経験してチャチャチャッと入ればいいだけ」
22:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:51:50.73 ID:kLIsZwOI0
「う、う、嘘でしょぉー!!」
こんなところで体を売るなんてとんでもない。猫に処女を上げるなんて真っ平御免だ。それにどんな病気をもらうかも分からない。
BNKRGは絶叫して逃げ出した。
23:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:52:18.51 ID:kLIsZwOI0
「あ、おい。待てやコラ」
「待てやコラ」
「なんだお前根性なしだな」
「おい待てい、何か理由があるかもしれないゾ」
「理由なき追撃は後々の入群をしたくなくなるってはっきり分かんだね」
24:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:52:59.64 ID:kLIsZwOI0
追手が次々と襲ってくる。
捕まったら犯される。必死にBNKRGは逃げる。どこか、どこか隠れ家はないか!周囲に目を光らせながらひたむきに駆ける。
潰れたパブのネオンライトが、周囲に人家のない事を告げていた。今は走るしかない。
25:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:53:30.28 ID:kLIsZwOI0
30分ほど走っただろうか。路地裏を抜け、繁華街を後にして、住宅街に入っていた。
これだけ走り続けても追ってくる。まだ2、3匹いる。
体力の限界が見えてきた。疲れ果ててへばりそうだ。
視界の端にいい人家を見つけた。明かりがついている。もしかしたら、と突然曲がり入った。
まだ追ってくるだろうか、と人家の垣根の中で荒い息をしながら待った。
26:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:54:03.64 ID:kLIsZwOI0
27:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 01:54:42.40 ID:kLIsZwOI0
「ろうそくろうそく、よし!後頼む!」
「一応みかんとか持って来たぜ」
「えぇ!?い、いいよ!ショートケーキにみかんは合わないって!」
「細かい事は気にすんな!あれだ、具材てんこ盛りの方が美味しいだろ?」
「いやぁ〜……まあ」
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