5:名無しNIPPER
2018/01/31(水) 23:09:39.21 ID:DWbRssyX0
振り向くと目が合った。そして視線のちょうど交わるあたりに丼があって、ラーメンの頂上にちょこんと紅いものが見える。
「本場では紅生姜を乗せると聞いてな」
挑戦者に激励の言葉は無粋だった。私はサムズアップで無事を祈る。
食の開拓者に加護のあらんことを。
「あ、黄身が破れてしまったわ。赤城さん、こういうときはどうすれば」
「極力つゆと混ざらないようにして、そばを絡めて食べるとよいと思います」
「なるほど」
加賀は音も最小限につるつるとそばを啜っていく。主張の控えめな、それでいてほんのり桜色に色づいた唇にそばが吸い込まれていくさまは、思わず見とれてしまいそうになる。
「あ、提督」
いつの間にか歩き出していた彼の背中に声をかける。
「あとでお邪魔しても?」
「おう」
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