モバP「アイドルにサスペンスドラマの犯人役のオファーだって!?」
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76: ◆P4gW9oKees
2018/02/11(日) 23:35:32.90 ID:VMSt+Ii10
翌日。

私のお家でお茶会が行われた。
自家製のミントティーやハーブティー、みんなが持ち寄った紅茶なんかも振舞われた。

集まったのは祖父の知り合いが多いけど、中には祖父が前に飼い猫探しを依頼した名探偵さんとそのご家族の方も来ていた。

特に一緒にいたメガネの男の子はミントやハーブについても詳しくて、小学生なのに珍しいなって思った。

そんな時、アイツが話しかけてきた。

「そういえば、アンタのあの花壇、去年までは色んな花でいっぱいだったのに今年はミントでいっぱいね」

私はその言葉に、顔を引きつらせないように注意しながら答えた。

「うん、植え替えをしたんだよ。今度から他のお花は向こうの花壇で育てようって」

そう言うと、アイツは興味なさげに去っていった。

私は1人部屋に戻ると、さっきのこと、そして去年のことを思い出していた。

あの花壇は元々、私のお母さんが作った花壇だ。
数年前、お母さんが亡くなった時に私はその花壇を引き継いで、大切にお花を育てていた。

その後、アイツが隣に引っ越してきた。
アイツの庭にも花壇があったので、声をかけてみたら、お花を育てているというので色々話していた。

そしてあの日。
私は旅行で数週間家を空けなければならず、その間のお花のお世話をアイツに頼んでしまった。

私が旅行から帰ってきて見たものは、ミントが繁殖して台無しになっているお母さんの花壇だった。

元々、私はミントも育てていたけれど、その時は全く別の花壇で、無闇に繁殖をしないよう囲いまで作って育てていた。
勝手にこっちの花壇にまで繁殖するなんてありえない。

そして考えた結果、アイツが手入れをした時にミントが花壇に持ち込まれたと思った。

普段、私は他のお花のお手入れをしてからミントの花壇のお手入れをして、しかもその後自分の服や手袋や長靴についたミントの葉っぱや茎を綺麗に取り除いてから片付けをしている。

でも、ミントのことを知らないアイツはミントの花壇からお手入れをした上、自分についたミントに全く気をつけずそのまま他の花壇のお手入れをしたのだ、と。

後日、それとなくアイツに確認したらアイツはこう言ってきた。

「普通に玄関から時計回りに手入れしたけど?」
と。

その順番で行えば、玄関前の花壇から始まり、家の裏庭を回って、ミントの花壇、そしてあのお母さんの花壇、という順番になる。

どう考えても、アイツがミントを持ち込んだことに疑いはなかった。

今考えてみれば、時々怪しいところがあった。
アイツと会話をしている時、向こうからお花について聞いてくることが多く、それもお花を育てる上では基本的なことばかりだった。

結局、アイツは近所付き合いで私に適当に話を合わせていただけで、お花が好きでもなんでもなかったということだった。

この出来事を思い出すたびに、胸の奥がジクジクと痛む。

だから私は、アイツに復讐すると心に誓った。


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