【モバマス】 塩見周子「なか卯には人生がある」
↓ 1- 覧 板 20
45:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/28(日) 04:48:16.43 ID:nBRbhFMNO
周子(そして彼は、ふとそんなことを言う)
周子(いつか、遠い昔の記憶とその言葉がシンクロする)
周子(手を繋いでこの橋を渡る父と、幼いあたし。そして今、隣にはプロデューサーさんがいる)
周子(幼いあたしと父の幻想が通り過ぎて行く――)
周子「あたしは……」
周子(あの頃のあたしが今のあたしを見たら、なんて言うだろう)
P「……」
周子「あたしは……。誰かにとっての、帰る場所になりたい……」
周子(しばしの沈黙の後――なぜあたしはそのように言ったのか、とうの自分でさえも分からなかった。ただ、自然に口をついて出たのがその言葉だった)
P「――お前はもう、なってるさ」
周子「……?」
周子(やがて、あたしとプロデューサーさんはホテルの前に着いた。何故か繋いだ手を離すのが惜しく、渋っていたらそんな言葉をかけられる)
P「大丈夫だ。俺はどこへもいかない」
周子「……え?」
P「――俺の帰る場所は、お前だ」
周子(そう言って彼は繋いだ手を放し、それをあたしの頭に置く)
P「じゃあ、明日は時間通りにここに集合な。送ってくれてありがとう、気をつけて帰れよ?」
P「……ライブ、成功させような」
周子「あっ――」
周子(あたしの反応を待たずに、プロデューサーさんはそう言ってホテルの自動ドアをすり抜けていった……)
周子「ほんとずるいよね、プロデューサーさん」
周子(時々、あたしは彼を超自然的な存在と錯覚する。それこそ神様のような……。全てを見透かしたような、悟ったような視線。それはあたしの心をかき乱す)
周子「その言葉、信じてるからね――ずっと」
周子(とうに見えなくなった彼の背中に、あたしはそう投げかけた)
67Res/89.64 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20