森久保乃々「さよなら、森久保」
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61:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 22:39:05.90 ID:QxgIwWOp0

「むーりぃー」

 動作こそ小さいですが、心の中では大きな悲鳴があがっていました。
 プロデューサーさんは一瞬困った表情を見せるも、すぐにひたむきな表情へと変わりました。

「なぁ森久保聞いてくれ。ライブが出来ないってなると、アイドルではいられない。
 つまり実家に帰ることになるし、輝子とも会えなくなる。お母さんも輝子も悲しむと思うんだ」
 
 キノコさんのことも寂しく思いましたが、それよりも、実家と聞いて、私は頭を抱えました。

 アイドルをやめて実家に戻ったとしたら、
 母に、叔父に、クラスメイトは、私を受け入れてくれるでしょうか。

 アイドルを目指したが、アイドルになれなかった。
 いわゆる、出来そこないの烙印を押されるのではないでしょうか。

 考えるだけでピアスがじんと痛みました。
 私はあの人達の期待を裏切るような真似は、絶対にしてはいけません。出来ません。



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