森久保乃々「さよなら、森久保」
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5:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 18:38:28.12 ID:QxgIwWOp0

 始業のチャイムがなり、先生が現れました。現代文の授業でした。
 先生はチョークをこんこんと鳴らしながら、黒板に教科書の文章を書いていきました。
 
 私は黒板のその文字をノートに書き写していきます。
 こんこんこん。かりかりかり。書いているうちに、私はこれまでに覚えたことのない感情に囚われました。

 それは恐怖でした。そのとき私は席替えのくじ運が悪く、人目につきやすい最前列の席に座っていました。

 その私の背中を、後ろのクラスメイト達が、見ているような気がする。見ている。見られている。
 私に聞こえないように意地の悪い言葉を投げつけ、にやにやと笑っている。

 思い出されたのは、トイレで聞いた無邪気な声と、教室で談笑していた彼女たちの笑顔でした。
 その二つはぐるぐると頭の中で回り始め、私の頭を掻き乱しました。



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