3:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 18:31:24.29 ID:QxgIwWOp0
中学一年の夏でした。
移動教室から戻るときに、私はスカートの裾がほつれていることに気づきました。
すぐに近くの女子トイレに入り、ポーチから小さなハサミを取り出して、糸を切りました。
ついでにと、そのまま用を足していたら、扉が開く音とともに、聞き慣れたクラスメイトの声が入ってきました。
「あいつうざくね?」
教室のときと変わらぬ無邪気な口調で、クラスメイトは言いました。
「わかる」
「うざいうざい」
どうやら三人いるようでした。私は個室の扉越しに、三人の顔をそれぞれ思い浮かべながら、
それこそサバンナで生き抜く小動物のように、じっと気配を隠しました。
話を聞いていると、あいつとは三人が所属しているグループの一人の女の子を指しているようでした。
才色兼備で人当たりもよく、成績も優秀な子でした。私には全くうざい理由がわからない。
それどころか憧れの女の子でした。
三人は機関銃のように、女の子の悪口を繰り返しました。
うざいといった弾丸は徐々に具体性を帯びていき、最終的には、
「あいつはぶりっ子だ。がり勉だ」
と私が尊敬しているところさえも攻撃し、トイレから去っていきました。
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