【艦これ】大井「顔、赤いですよ。大丈夫ですか」
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4:名無しNIPPER
2018/01/23(火) 00:55:25.62 ID:Nf6OgZl00
「神祇省に行く予定を立てておくか?」
神祇省は伊勢にある。ここ、横浜からだと小旅行だ。
艦娘の身分を笠に着て自由に外出ができるわけではなかった。それでも、神祇省が現在の日本において果たす役割は十二分に知られている。外出申請はほぼ十割通るだろう。
5:名無しNIPPER
2018/01/23(火) 00:58:16.79 ID:Nf6OgZl00
「……まぁ、お前は歴も長いしな。多少現場を離れてたくらいでどうにかなるとは思わんが、一応」
「長いというか」
6:名無しNIPPER
2018/01/23(火) 01:01:12.63 ID:Nf6OgZl00
「みんなは元気?」
「あぁ。北上とかから近況は聞いてないのか?」
7:名無しNIPPER
2018/01/23(火) 01:01:41.44 ID:Nf6OgZl00
「お仕事は?」
「おいおい、嫌なことを思いださせるなよ」
8:名無しNIPPER
2018/01/23(火) 01:03:23.36 ID:Nf6OgZl00
「軽空母どもが野毛に行きたいって言うから、連れてった。あと明石と大淀はヨドバシに行くっつってたな」
「野毛?」
9:名無しNIPPER
2018/01/23(火) 01:04:12.65 ID:Nf6OgZl00
「……ふぅん」
あの娘と趣味が合うとは、意外や意外、と言ったところだろうか。提督が瀟洒で洒脱なんてあまりにも……あまりにもすぎる。
いや、あるいは? もしかしたら?
10:名無しNIPPER
2018/01/23(火) 01:04:59.32 ID:Nf6OgZl00
それは果たして返答として正しかっただろうか。私が提督の顔を見ると、彼は不思議な顔をして視線を逸らした。理解してくれたのか、くれていないのか。
疑問は出てこなかった。ならば、拘泥する必要もないだろう。
「資材の管理は大丈夫? 艦娘の勤怠と健康については?」
11:名無しNIPPER
2018/01/23(火) 01:06:03.45 ID:Nf6OgZl00
「教員目指して、る、らしいぞ」
一瞬のよどみをわたしは聞き逃さなかった。「た」か「る」か。後者だったのは、提督なりの踏ん張った結果なのだと思う。
その努力と慮りに敬意を表し、私は気づかないふりをする。
12:名無しNIPPER
2018/01/23(火) 01:06:36.76 ID:Nf6OgZl00
言ってから、しまった、と思った。
底意地の悪い発言だった。何より不用意な発言だった。
これに関しては十割が私のミス。一〇〇パーセント自業自得。
13:名無しNIPPER
2018/01/23(火) 01:07:59.62 ID:Nf6OgZl00
「気持ちは変わらないか」
なんの、と問うほど野暮ではなかった。私の気持ち。艦娘計画の第一被験者に名乗りを上げた理由。
誤魔化すこともできたのかもしれない。あるいは、聞いていなかったつもりで小首を傾げれば、きっとこの人は追ってはこないだろう。そう言う人だ、わかっている。いやというほどに。
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