96:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/04(日) 22:57:22.95 ID:gbrZvsqSo
「えへへ」
まるで甘えたがりの子猫のように、蘭子がボクに頬を寄せてくる。
仕方がないな、とは思いもするが、それ以上に嬉しく思う。
まさか、こんなにも親しく出来る人が現れるとは、思ってもみなかったのだから。
「はい、到着」
ベッドに辿り着いた。
これで、ボクと蘭子の寮内の愉快な散歩は終わるというわけだ。
「んー!」
「蘭子? 手を離してくれるかい?」
けれど、この甘えん坊はそれが起きに召さないらしい。
離れようとするボクの腕にしがみつき、逃さないぞとばかりに捕らえている。
腕に、蘭子の豊かな胸がぎゅうぎゅうと押し付けられる。
だから、痛くは無いし、服越しにでも感じるその感触は正直心地良い。
「一緒に寝る!」
やれやれ、お酒は大人が嗜むものだと言うのに。
その禁断の味を知ってしまった彼女が、
逆に子供のように振る舞っているというのは何とも皮肉じゃあないか。
なんて……言っている場合じゃない、か。
「蘭子、良い子だから手を離し――」
「んー!」
「っ!?」
急に、グイと引っ張られ、体勢を崩してしまった。
その拍子に、二人してベッドに倒れ込む。
音は一つ。
だって、ボクらは重なるようにして、倒れ込んでしまったから。
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