37: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/01/21(日) 22:49:45.42 ID:VWwRAsjo0
「茄子さんにはさ。事務所入ったばっかの頃、色々お世話になったの」
出来上がった玉子酒を断熱タンブラーに詰めながら、美嘉ちゃんは呟くように言います。
「ぽこ?」
「アタシについては……ちゃんと話すと長いから、今度にさせてね。
とにかくアタシが入った頃はこの部署も小さくて、茄子さんが直接の先輩だったんだ」
そうなのでした。
美嘉ちゃんはうちでもだいぶ先輩にあたるポジションの子です。
本人が先輩風を吹かすようなことを嫌うから、私達は上下の関係なく友達ですけど。
今となっては結構な大所帯になって、私や蘭子ちゃんはその中期加入組。
周子ちゃんや紗枝ちゃんはちょっと後、比較的新しい方に入ります。
中でも美嘉ちゃんは最初期に入った組。
順番に、楓さん、芳乃ちゃん、茄子さん、美嘉ちゃん――というのが事務所発足から間もなくのメンバーだったそうです。
「あのひと凄く優しいから、アタシも結構甘えちゃったりしてさ。
こっちが立派になったら改めて恩返ししようと思ってるんだけど……っと、これでよしっ」
しっかり封をした断熱タンブラーを専用のポーチに入れて、美嘉ちゃんは頷きます。
「これがちょっとでもお返しになるなら、しっかりやんなきゃね★」
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