奈緒「志保、コタツはいつでも出せるんやで」
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29:名無しNIPPER[saga]
2018/01/18(木) 21:28:09.65 ID:3iKMEwHU0
「後悔はしてないんです。
 765プロにいたときのことは本当に夢みたいで、同時に、誇りでもあります。
 素晴らしい仲間と過ごせた時間を、キャリアを、汚さないようにやってきたつもりです」

 私はそうやって、この7年間を過ごしてきたのだと思う。
 しばらく、時間が経った。部屋には私と奈緒さんだけ。

 しんと静まり、空気さえも身じろぎしない。
 二人でいて私が黙っていることは多かったけれど、奈緒さんがこんなにも長く静かになったのは、寝ている時以外には初めてかもしれない。
 もしかして寝てるのかな、と顔をあげたら、神妙な顔をして、奈緒さんが頷いた。

「コタツやな」
「……は?」
「志保は、コタツを自分で片付けてしまったんや」

 意味が分からない。そもそも私の家にコタツがあったことは一度もない。
 でも、そういう話ではないんだろう。
 奈緒さんは天板に手を触れ、珍しく、なんて言ったら怒られるかもしれないけれど、愛おしそうに撫でた。


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