69:名無しNIPPER[saga]
2018/02/27(火) 18:49:57.86 ID:pVswnjsH0
俺は雪ノ下雪乃について、どれほど知っていると言えるだろうか。俺は彼女のことを、彼女の歩んできた道を、どれだけ理解していると言えるのだろう。
恐らく彼女の過去には、あまり良い記憶ではない、何かの出来事があったのだろう。それは俺だけでなく、由比ヶ浜も感じている事だろう。もしかしたら過去ではなく、それは現在まで続いてるのかもしれない。恐らくそこに葉山も絡んでいる。しかし俺は、その事実を知りたいのだろうか。彼女が何を経験してきた、そして今何を抱えているのか。それを知って俺はどうするのか、胸を張って俺は雪ノ下雪乃を理解しているとでも言うつもりだろうか。
否、そのようなことは出来ない。それは俺が1番よくわかっているはずだ。いくら他人の過去を知り、現在を知り、そして同じものを背負い込んだところで、所詮他人は他人、他の人なのだ、自分ではない。完全に理解など出来やしない。もし理解したとでも言うのなら、その関係こそ欺瞞であり、偽物だ。
では俺は、彼女をどうしたいのだろう。彼女の過去を知りたいのだろうか。何が今の、現在の強くて孤高な、そして弱い雪ノ下雪乃を作り上げたのか。
確かに知りたい気はする。もしかしたら、俺は心のどこかで、雪ノ下に憧れているかもしれない。雪ノ下の真っ直ぐな正義に、欺瞞や偽物を許さない強さに。ならば彼女の強さの秘密を、何が彼女を強くさせたのかを知りたい、そう思っているのだろうか。
本当にそれだけなのか。
雪ノ下「ねえ、比企谷君。」
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