43: ◆5AkoLefT7E[saga]
2018/01/13(土) 00:10:51.09 ID:TDi1TcfI0
「じゃあ、私は帰るね」
「おう、気をつけて……あ……」
「どうかした?」
「いや、別に……まあ、伝えておくか……」
「え……何か悪いこと……?」
「違う違う。いや、俺も知らなかったんだけどこの事務所、合同ライブが終わった辺りの時期に年間表彰をするらしいんだ」
「年間表彰……?」
聞きなれない言葉に、思わずそのまま繰り返しちゃった。
「そう。納会みたいなものを、パーティー会場を貸し切ってやるらしい。そこで発表されるみたいだ」
「へえ……」
「ソロ部門、ユニット部門、楽曲部門、ライブ部門とか、その1年で活躍したアイドルに渡されるんだってさ。他にも色々あるらしいぞ」
「知らなかったな」
「でもまあ、何というか……」
「ううん、言わなくてもわかってるよ。結果より、込められた思いだもんね? もちろん、そういうのもらえたら嬉しいとは思うけど……とにかく、私にできることを精一杯、頑張るよ」
「……杞憂でよかったよ。まあ、もし取れたらラッキーくらいに思っておいてくれ。合同ライブのパフォーマンスが結構関わってくるとは聞くんだが、実際はどうなのかわからないし、変に邪念を抱くのも良くないから」
「ちなみに去年はどんな感じだったの?」
「……」
「……?」
「いや、俺、去年居ないし」
「……聞かなかったことにして」
「ええと……ら、ライブ頑張ってな!」
「や、優しさが痛い……!」
く、悔しい……けど、まあそれは置いておこう。
今日はプロデューサーさんについて、たくさん知ることができて本当によかった。
やっぱり、私は幸せ者だ。
今度は、この気持ちを、お返しできたらいいな。
そのために、ライブ……頑張ろう。
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