結城友奈「これは勇者たちの物語」
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69:名無しNIPPER[saga]
2018/01/20(土) 21:52:28.25 ID:hm+dGSCso

千景「……呆れた。あなた自身、原理を分かっていないってことじゃないの? ……ただ、今の話を聞いた限りだと、随分と都合が良いとは思うけれど、SF的解釈の範囲にはあるようだから何とか理解は出来たわ」

友奈(やっぱり凄いな、ぐんちゃんは……)

友奈「私はあんまりよく話が理解できていないけど、もし元の世界に今帰ってしまうんだったら……東郷さんや勇者部の皆にお別れを言って来ないといけないよね?」

友奈(正直帰れるとは思っていなかったから実感がわかなかったけど、お別れの挨拶が必要なことは理解していた。……だけど)

若葉「……すまない。それはもう叶わないんだ」

友奈(若葉ちゃんが言葉通りに、本当に申し訳なさそうな顔をした)

千景「……おそらくは、私と高嶋さんが御霊の核に触れるその直前、その辺りから時間の流れがおかしかったわ。その時にはもう、私と高嶋さんは元の世界へと帰還する間際となっていたと言うことかしら?」

友奈(言われてみれば覚えがある。御霊に触れる前、私たちの時間はひどくゆっくりだったんだ)

若葉「……流石千景だな。その通りだ。あのバーテックスを倒した瞬間、二人は元の世界へと帰還する、それが当初からの予定だった。だから今は、千景と友奈がこの世界から消える直前、その一瞬の刹那にしか過ぎない。私たちは会話を交わしているようで、実のところ一方的に私からのメッセージを二人が頭の中で再生しているだけ、というのが本来的には意味が近い。高速再生されたビデオでも想像してもらえれば良いか」

友奈(え、ええと……?)

千景「……ビデオって、あなた一応私と同世代よね? つまるところ、私たちはもう何も出来ず、後はただ元の世界へ帰るのを待つしかないと言うことでしょう?」

友奈「そんな!? ……そうだ! 今から皆のところへ行けば──身体が動かない……?」

若葉「……そうだ、友奈。今、私たちの時間は動いていない。だから、ここに居る者以外とは言葉を交わすことはできないし、触れ合うことも……できないんだ。すまない」

友奈「……」

友奈(若葉ちゃんの泣きそうなくらいのその姿に、私はそれ以上我がままを言うことができなかった)






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