5:名無しNIPPER[saga]
2018/01/12(金) 22:41:03.55 ID:QHT5/WDno
美森「……千景ちゃん、あなたに貰った言葉通り私は私の信じる道を進むわ」
千景「ええ。私もあなたのその選択を否定しないわ」
美森「……やっぱり優しいじゃない……」
友奈(東郷さんは小さくそう言って、ぐんちゃんに向けていた視線を別のところへ、銀ちゃんへと向ける)
美森「銀。あなただけは何があっても今一時は絶対にそこから動かないで。一生で一度だけの……東郷美森と鷲尾須美からのお願いよ」
銀「……須美にまで頼まれちゃ、それは聞いてあげるしかないよな」
美森「ありがとう、銀。私の精霊二体を置いていくわ。絶対にバーテックスには手出しをさせないよう厳命しているから安心して」
友奈(東郷さんが銀ちゃんにしたお願い事の理由を、私は多分理解していたのだと思う。今度は私たちに向かって東郷さんは言った)
美森「──私が壁を壊した理由を知りたい人はついて来てください」
友奈(東郷さんとぐんちゃんが壁に向かって進んで行く。すぐに姿は見えなくなった。壁を越えたんだと思う。銀ちゃん以外の全員は二人を追いかけて行き、そして──)
友奈(炎とバーテックスしか存在しない世界が、目に飛び込んできた)
夏凜「……なによ、これ……?」
樹「……!」
風「……まさか、樹海化の時みたいに、アタシたちどこかに飛ばされたの……?」
美森「違いますよ、風先輩。これが世界の真実の姿なんです」
千景「……この神樹と言う箱庭世界は揶揄抜きに箱庭だったのよ。世界規模の結界にこの四国は覆われていて、そのまやかしがなくなってしまえば……今、あなたたちの目に映っているありのままの日本、地球の姿が見えてしまうのよ」
夏凜「……う、そ……」
美森「偽りであったのならどれだけ良かったか……。神樹によって私たちは都合の良い世界だけを見せられていたに過ぎないの」
友奈(知っていたはずの私でさえ思わず絶句してしまうほどの光景。太陽のような大地と、無数にうごめくバーテックスたちの群れに鳥肌が自然と立ち、地獄と呼んでしまいたくなる程の世界が、どこまでも延々と続いていた)
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