結城友奈「これは勇者たちの物語」
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12:名無しNIPPER[saga]
2018/01/12(金) 23:52:00.24 ID:QHT5/WDno

友奈(ぐんちゃんは私に一度だけ視線を向けた。壁の外で伝えてくれたことの再確認だったと思う。私は頷く。ぐんちゃんは満足そうに少しだけ口元を一瞬だけ緩めていた。すぐに元のぐんちゃんに戻り)

千景「風先輩。酷な話だとは思うけれど、時間にして十分程度で勇者部の結論を出しなさい。その間、私と三ノ輪さんで何があっても神樹を死守してみせるわ」

風「……夏凜みたいに無謀だって言いたくなるけど、千景のことだから考えあってのことよね?」

千景「……あなたにしては分かっているじゃない」

風「ふふーん、アタシもそろそろ千景マスターを名乗れるかもしれないわねー」

千景「過言ね」

風「もう、相変わらずつれないわね……。……冗談は置いておくにしても、死守なんて言葉は使わないで。どうしても戦うんだったら、絶対に生きてアタシたちと再会すること! それ以外のことに関してはこの際目をつむるわ。……いいえ、違うわね。……どうかお願いね、千景」

千景「……分かったわ、約束しましょう。こう見えても私は約束を守る性質なのよ」

風「……ええ、良く知っているわ……。それと、アタシを風先輩と呼ぶ理由、帰ってきたら教えなさいよ?」

千景「……善処するわ」

夏凜「盛り上がっているところ悪いけど、戦うなら私も行くわ!」

千景「この話し合いはきっと三好夏凜、あなたにとっても大切なものとなるはずよ。それに、前までのあなただったら有無を言わずに、今頃バーテックスへと突撃していたはずでしょう? ここは私と三ノ輪さんに任せておきなさい」

夏凜「……くっ……! わ、私は──」

樹「……」クイクイ

夏凜「樹……? ……何よ、あんたまで千景の言う通りにしろって? ……はぁ。私はいったいどうしちゃったのかしらね……?」

千景「それが答えなのでしょ?」

夏凜「ああ、もう! あんたたちに任せる! 以上!」

千景「ええ、任されたわ。樹さん、この完成型勇者の面倒もお願いね」

樹「……!」ハイ!

千景「──もう油を本当に売っている暇はないのだけれど、東郷さんにも最後に一言だけ。あなたの考えはもしかしたら退廃的な思考なのかもしれない。だけど、神樹に与えられるだけの世界で、一人の人間として決断を下したことは誇っても良いことのはずよ。少なくとも、私はそう思うわ」

美森「……」

美森「……ずるいわ。これじゃあ、何もかも千景ちゃんの手のひらの上じゃない……」

千景「世の中何事も自分の思惑通りにいかないわよ。でも、私がずるいのは認めるわ。……そして、あなたの大切にしている三ノ輪さんをあなたの元に無事返すことも約束しましょう」

美森「……銀のことをお願いね」

千景「ええ──その代わり皆で結論を出しなさいよ?」

美森「……」

美森「……結論は見えているのでしょうけれど……分かったわ」

千景「そう。それじゃあ、行ってくるわ」ダッ!

友奈「……」コクン

友奈(いってらっしゃい、ぐんちゃん。こっちのことは私に任せておいて。──だから、絶対に無事でいてね……)






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