勇者「ニートになりたい」
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609: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/02/12(月) 15:57:23.98 ID:zhSyHYbEO
【再び魔王城 玉座】

魔王「……興味深い話だ。なぜ、勇者はやめたがっていると思った?」

ベビードラゴン「実際に耳にしたからだなす」

大臣「な、なんとっ⁉︎ 勇者自身がそう言ってたのかっ⁉︎」

ベビードラゴン「魔王様。オラはわかんなくなっただす。たしかに、勇者は強かった……いや、強いはずだす。サキュバス様を瀕死の状態に追いやったのですから」

魔王「……それで?」

ベビードラゴン「にもかかわらず、力の片鱗を見せたのは最初だけで、やる気がなかった。だからオラは無傷でいられた」

魔王「……」

ベビードラゴン「勇者は本当に恐るるに足る人物なんだべか?」

魔王「だから、勇者を殺さなかったのか?」ギロッ

大臣「そ、そうじゃ。その状態の勇者であればいともたやすく息の根をとめられたはず」

魔王「だから、罠かと疑いもせずに、帰ってきたのか?」

ベビードラゴン「ま、魔王様。勇者の罠かと疑っているんだすか?」

魔王「可能性としてなくはあるまい? 腕をさしだすとまでなると不可思議だが」

ベビードラゴン「(ゆ、勇者が言った通りだ……魔王様が、あの魔王様が、腕を気にかけておられる……)」

魔王「さらに踏み込めば、おそらく勇者はこれを持ち帰らせることにより、なにかを企んでいるやもしれぬ。大臣よ」

大臣「はっ!」

魔王「確認の為、この腕を調べてまいれ」

大臣「ははっ!」

ベビードラゴン「(えぇと、えぇと、次は――)」


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