勇者「ニートになりたい」
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610: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/02/12(月) 16:18:08.54 ID:zhSyHYbEO
【数時間前 クィーンズベル 郊外】

勇者「魔王はまず、腕を確認する。本物であるかどうか、罠がないかどうか。動機は多岐にわたるが、ぜぇぇったいに腕を確認する。気になって気になって仕方ないはずだ」

ベビードラゴン「そうだべか」

勇者「そら心中はソワソワしっぱなしよ。目の敵である勇者の腕なんだからな。魔王にとっちゃ宝の山ほど価値あるもんだ」

ベビードラゴン「自己評価高すぎでねか? なんとも思わねえかもしれねぇど」

勇者「なんとも思ってねぇやつをわざわざ追跡させるかよ。剣渡したぐらいで竜王を死罪にするか? あぁん?」

ベビードラゴン「……そうだけんど」

勇者「お前は“たかがニンゲン”。これをゴリ推しして持論を展開しろ。普段エサだと思ってる存在なんだ、簡単だろ」

ベビードラゴン「はい」

勇者「よしよし。勇者であってもたかがニンゲンだからな? ちゃぁ〜んと言えよ? その程度の認識しかないと伝えることに意味がある。殺さない理由になる」

ベビードラゴン「虫けらだもんな」

勇者「そう! エクセレント! それでいいんだ! これに、淫夢族が逃がされたやり返しだとも言え」

ベビードラゴン「そったらごとしたら、サキュバス顔真っ赤になるぞ。面目丸つぶれだし」

勇者「淫夢族がどう思おうが別に関係ないだろ?」

ベビードラゴン「ねぇな。あいつら、竜王さまバカにしたから、良い気味だ……でへっ」

勇者「その意気だ。魔王にも魔王でプライドがある。勇者がこわいよぉ〜なんで殺してきてくれなかったのぉ〜なんて言える立場じゃない」

ベビードラゴン「魔王様に楯突く存在だべ? 殺してこなかったなんて不忠になるんでない?」

勇者「あー……うーん、まぁ、そこはゴリ推ししてお前がなんとかしろ」

ベビードラゴン「(思いつかなかったんだな……)」ジトォー

勇者「なんだその目は! なんでもかんでも頼るんじゃありません!」

ベビードラゴン「わがっだ。ゴリ推ししてみる」


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