勇者「ニートになりたい」
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485: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/02/04(日) 20:30:46.42 ID:S3D9Cw+YO
メイド「幼き日、姫さまの従者として取り立てていだいた恩を感じながらもっ、私はっ、弟を失いたくないっ、それしか考えられずっ」

姫「盗賊団の狙いは? 身代金の要求じゃなく情報なんですの?」

メイド「ひっ、姫さまの、ぐすっ、縁談に合わせて、宝物庫に忍びこむらしいです」ポロポロ

姫「……そう。それで、勇者をなぜ盗賊団の関係者と?」

メイド「そ、それはっ、私が早合点してしまい、姫さまがハーケマルの使者じゃないといったときに、盗賊団の者が接触していたのかと」

姫「ここまでは理解しました。先ほど、謝らなければと言っていたわね? 勘違いが解け勇者とわかったきっかけはなに?」

メイド「私は、勇者さまが盗賊団の者だと勘違いしていた折に、姫さまが危険だと感じて、焦っていました」

姫「だから、出かけていたのね?」

メイド「はい。かねてより要求されていた物を手にして」

姫「要求されていたもの? それはなに?」

メイド「城の見取り図でございます」

姫「……っ⁉︎」ガタッ

メイド「弟を無事返していただいたら、王に全てを告白し、自害するつもりでおりました」

姫「自害で済むと思うっ⁉︎」バンッ

メイド「申し訳、ございません」ペコ

姫「でも、相手が勇者だと気がついたのなら見取り図を持ち帰ってきたのですよね? そうでしょ?」

メイド「いえ。それが……待ち合わせ場所である酒場に到着すると、なぜか、衛兵と勇者さまが一緒に卓を囲んでおられたのです」

姫「なんですって……?」

メイド「私はハーケマルの使者が、盗賊団の一味だったという確信を持ちました。そして、衛兵に個室に連れていかれ、二人きりの状況で見取り図を渡したのです」

姫「勇者が、なぜ……そ、それからっ⁉︎ どうなったんですのっ⁉︎」

メイド「……はやく弟の無事を確かめたかった私は、衛兵に詰め寄りました。懐に隠していた短刀を突きつけて」

姫「……」

メイド「でも、こわくてこわくて仕方なかった私は、身体中が震えてしまって……衛兵に気がつかれた後はは、たやすく武器を奪われ、襲われかけました」

姫「だから、そんな格好してるんですのね」

メイド「逃げようと必死になった時でした。個室の扉の前から勇者さまの声が聞こえてきて」

姫「……」

メイド「覚えているのはここまでです。どうやら、扉を無理やり開けてきたらしく、その際に私は気絶してしまい」

姫「目が覚めたら、どこにいたんですの?」

メイド「酒場の椅子に横たわっていました。そこでバニーガールからこれと同じものを見せられて」スッ

姫「それは……勇者の……貴女、まだ後生大事にしてたの……」

メイド「ふふっ、なにをいうんですか。姫さまもオルゴールの箱に大切に隠しているではありませんか」

姫「しっ、知ってたんですのっ⁉︎」

メイド「これは、アデルの像をかたどったもの。勇者さまが生まれた日に作られた記念の銀細工」

姫「サインみたいに配りまくってましたけどね」

メイド「勇者だけが配ることを許された品でもあります。底に刻印が掘ってあるのを気がつかれてましたか?」


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