勇者「ニートになりたい」
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486: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/02/04(日) 21:02:28.56 ID:S3D9Cw+YO
姫「ええ……」

メイド「これには、特殊な意味があるのです。姫さまに渡したものも、私に渡したものも。ただ、無闇に配っているわけではないのですよ」

姫「……わかってるんですの。ただ、あんまりにも渡しすぎるから。一時は袋に目一杯つめて歩いてましたもの」

メイド「あの時の勇者さまったら、ズルズル袋を引きずりながら」

姫「ふふっ……って! それでっ⁉︎ 見取り図はっ⁉︎」

メイド「申し訳ありません」ペコ

姫「勇者が持ってるんですのっ⁉︎」

メイド「なにぶん、気を失っておりまして」

姫「お父様に報告するにも、見取り図がなくては。貴女が……」

メイド「私のことはどうか、お気になさらないでくださいまし」

姫「き、気にするなですって……?」

メイド「罰を受ける。その覚悟で持ち出したのです。私は、最初から王と姫さまに打ち明け、弟をお頼みするべきだった」

姫「あ、貴女ねぇっ!」ブンッ

メイド「……」

姫「いい加減にしなさいよっ!!」バチィンッ

メイド「……っ、お怒りはごもっともでっ」

姫「痛いでしょう⁉︎ 頬を叩かれて痛くないわけないんですの⁉︎」

メイド「……」

姫「でもっ! 叩いた私の手だって痛いっ!! なぜ叩くと思う⁉︎ 楽しいからじゃあませんのよっ⁉︎」

メイド「も、もうしわけっ、ぐすっ、うっ」ポロポロ

姫「貴女が私の友だからでしょう!」ビシッ

メイド「ひぐっ、ぐすっ」

姫「……お父様には、まだ伏せておきます」

メイド「ひ、姫さまぁ、それでは、見つかった時に、姫さままで罪にぃっ」

姫「黙りなさい!! 勇者……勇者はどこほっつき歩いてんるんですの……!」


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