392: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/01/27(土) 20:01:17.00 ID:YWyAV8D2O
【クィーンズベル城 玉座】
王様「まことかっ⁉︎ ハーケマルからの使者が!」
メイド「今は、部屋でお休みなさっておいでです」
王様「そうかそうか! そうじゃったか! 失礼はないであろうな!」
メイド「そ、それは……」
王妃「懐かしい。ハーケマルといえば私の母国でもあります。使者といえば、いつもの貴族かしら」
メイド「今回のご来訪は、王子に先駆けての隠密だそうでして」
王様「なるほどのう、視察に参ったというわけか」
王妃「……? それにしては、おかしいような? 定期的に文を渡しておりますし、なにより私が嫁いでいる国をいまさら」
王様「よいよい。あちらの王にとっても大事な息子なのであろうて。気になりもする」
王妃「……左様で、ございますね……」
メイド「目が覚めたら、お通しいたしますか?」
王様「うむ……いや、まて。今日は自由に見てもらって、明日にでも会食を設けよう。ワシが出張っては隠密の意味がなくなる」
メイド「承知いたしました」
王様「お主に世話役をまかせよう。くれぐれも、失礼のないようにな。姫の大事な面談相手に悪印象を持たせるわけにはいかん」
王妃「あなた、その席には私もご一緒してもかまいませんか?」
王様「よろしい。許可しよう」
メイド「姫さまとのご縁談がかかっております」
王様「うむ……お主にも、無理を言ってすまなんだ。小さき頃より共に育った間柄を逆手にとり、姫を説得させようなどと」
メイド「拾っていただいた恩は忘れておりません。姫さまにとっても幸せな婚姻となると信じております」
王様「うむっ! お主の忠義やあっぱれ! ……これからも、姫をよろしく頼む」
王妃「私たちは少々甘やかしすぎたようです。あの子には自覚がたりない。頼りにしていますよ」
メイド「もったいなきお言葉にございます」
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