393: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/01/27(土) 20:24:17.99 ID:YWyAV8D2O
【クィーンズベル城 客室】
ジャン「Zzz」
メイド「……」パタン
ジャン「うっ、うぅっ」ビクゥッ
メイド「……起きていらっしゃるのですか?」
ジャン「いややっ、やめてっ」
メイド「うなされている……おかわいそうに、よっぽどお辛かったのですね」
姫「失礼するんですの」バターーンッ
メイド「……っ⁉︎」ギョッ
姫「あら? 貴女まだいらしたんですの?」
メイド「ひ、姫さま! お静かに! 休まれているんですよ!」
姫「どーにも喉に小骨がひっかかっているような気がして。やっぱりそいつの顔見たいんですの」
メイド「な、なりませんっ! どうしてもというのならせめて許可をお取りください!」
姫「あらあら? 歯向かうんですのぉ?」ニタァ
メイド「な、なんですかぁ?」タジ
姫「めずらしいですわね。貴女が反抗するなんて、十年間はなかったことですの。最後に……かばおうとしたのは、勇者相手だったかしら」
メイド「……っ!」
姫「あの頃の貴女は今よりも引っ込み思案でしたものね。いつもニコニコ笑って、取り繕っていたのをよく覚えていますわ」
メイド「む、昔の話です」
姫「勇者と私と貴女の三人で。アデル王に連れられてやってきた勇者と仲良くなるのはそんなに時間がかからなかったんですの」
メイド「……そうでしたね」
姫「遠く過去のように感じますわ……本当に遠い過去なんですけど」コツコツ
メイド「姫さま! ドサクサ紛れでなにを近づこうとしているんですか!」
姫「……なぁ〜んかひっかかるんですの……診察ごっこをしていたのを覚えている?」
メイド「え……? 覚えては、いますが。勇者様とやっていたおままごとの」
姫「ええ。私が妻、そして貴女が愛人」
メイド「い、今思うと、子供ながらにとんでもない設定を」
姫「仲間外れにしてはかわいそうだと思ったんですの。……その診察ごっこをしたのは、後にも先にも勇者だけ……」
メイド「左様です。勇者様が1ヶ月間滞在していた時にやった遊び。アデルにご帰国の際には、遊び疲れたのか、勇者様が憔悴しきっていたのをよく覚えています」
姫「楽しかったですわよね。……こいつは、なんでさっき“診察ごっこ”と口走ったのか」チラ
ジャン「Zzz」
メイド「遊び自体は、よくある遊びですよ」
姫「……それも、そうなんだけど……」ジー
ジャン「違う、皮ひっぱらないで、う、うぅっ」
メイド「良くない夢を見ておられるのです。今はそっとしてあげましょう、姫さま」
姫「うぅ〜〜〜ん? なんで、こいつを見てると勇者を思い出すんですの……?」
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