382: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/01/27(土) 14:05:17.91 ID:sYFh7cGeO
【クィーズベル城 法務室前】
ジャン「……よし、邪魔者はいなくなったな……」ササッ
学者「ど、どどどいてくださいっ!」アタフタ
ジャン「へっ?」クルッ
学者「わひゃあっ」ドーンッ パラパラ
ジャン「お、おお、自分でぶつかって自分でこけた」
学者「ひ、ひいぃいいっ!! せっかく順序よく並べた資料がぁっ!」カサカサ
ジャン「す、すまん。拾えばいいのか?」スッ
学者「触らないでくださいっ!! どこになにがあるのかごちゃごちゃになるでしょう!!」クワッ
ジャン「あ、はい」
学者「あーっ、もう、急いでるのに。なんで角に突っ立てたんですかっ!!」
ジャン「す、すみません」ペコ
学者「うぅ〜。間に合わないのにぃ、時間押してるのに〜……はやく水質調査団と合流しないと」カサカサ
ジャン「水質? それって井戸のこと?」
学者「そうですよ! この国に住んでるなら知ってるで……あなた、誰?」
ジャン「いや、私は貴族のジャンというもので」
学者「お客様でしたか。城に入れるのならさぞかし誉れ高い名家なのでしょうね」トントン
ジャン「それでさ、水質どうなってんの?」
学者「どうもこうもありませんよ。民には伏せてますが、原因がわからないのです」
ジャン「へぇ、伏せてんの? それってまずくない?」
学者「ならば公表しろと? 無用な混乱を招くだけです。水はたださえ欠かせないもの。この国の気候ならば尚更です。大恐慌が起きますよ」
ジャン「……」
学者「国王様も長期化の憂いは充分理解しておいでです。法務担当の者達が法王庁との協議にはいっています」パンパン
ジャン「(法王庁。たしかアデル王のとこに遊びいった時にきいたことあんな。名前だけだけど)」
学者「水売りに来ている商人があるので、すぐに困窮するともないですし、外部の貴族様が知らなくてもよいですよ」
ジャン「あ、そう」
学者「どいてもらっていいですか? 急いでるので」
ジャン「キミ、貴族に対してフランクだね」
学者「もう一度言います、急いでるので。……罰なら後で受けます」
ジャン「いや、そういう意味ではないけど」
学者「失礼っ、っと、わたたっ」ヨテヨテ
ジャン「前見えてないじゃん。よこせよ、半分」
学者「は、はい?」
ジャン「持ってやるから。整理し終えたんたなら触っても問題なかろうて」
学者「ば、バカじゃないですか⁉︎ ……ハッ! もしや、貴族様に荷物持ちをさせてる現場を見させてさらに重い罰を……」
ジャン「ばっかじゃねーの? そのかわり、ちょい話を聞かせてくれや」
学者「話……?」
ジャン「そうそう。歩きながらでかまわんから」スッ
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