381: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/01/27(土) 13:35:55.30 ID:sYFh7cGeO
【クイーンズベル城 城内】
メイド「あの、なぜ先ほどから目につく鏡ばかりを熱心に」
ジャン「えっ⁉︎ ご、ごほんっ、身だしなみは大切だからね!」
メイド「左様でございましたか。法務室はこの先の右手になります」
ジャン「(くっそー、この城って鏡こんなにあんのかよ! ナルシストかっつーの!)……あぁ、案内ありがとう。礼を尽くしてくれて感謝する」ペコ
メイド「……」キョトン
ジャン「では、私はこれで」
メイド「お、お待ちをっ!」
ジャン「……? なんだい?」
メイド「下々に頭に下げるなんて聞いたことが。あの、どちらの家柄はどちらの」
ジャン「フッ、名乗る時には相応しい場がある。今はその時ではない」
メイド「それは、なぜでございましょう」
ジャン「貴族とはなにか。そう下々に尋ねると権力と富の象徴だと答えるだろう。そこに差はないのだよ」
メイド「……?」
ジャン「つ、つまりだね、私はひけらかしたくないのだ。自分の家柄を」
メイド「……またもや、ご無礼を。私もまだまだ見識が足らぬようです」
ジャン「良いんだ。こういう貴族もいるとこれかは知っていてくれれば」
メイド「感服の極みでございます」ペコ
ジャン「うむうむ、ではこれで」
衛兵「……」スタスタ
メイド「……っ!?」ビクッ
ジャン「(……ん?)」
衛兵「……」スタスタ
メイド「……ふぅー」ホッ
ジャン「(なんだ? 今の表情は? 怯えていたような)」
メイド「退城の際はお声かけくださいまし。私は最初に通りましたホールでお待ち致しておりますので」
ジャン「あ、あぁ。わかった。そうするよ」
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