勇者「ニートになりたい」
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379: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/01/27(土) 12:49:21.67 ID:sYFh7cGeO
ジャン「た、たたたんま! 本当に! ウソじゃないて!」

兵士「身分証を持ち歩かない貴族など聞いたこともない!」

ジャン「今回がはじめてのケース! やったね! きみの童貞は捨てられたよ!」アタフタ

兵士「ますます怪しいわ! 貴族がそんなにふざけた言葉遣いをするものかっ!!」

ジャン「言っただろ⁉︎ うちの家系そうなの! こういう教育方針なの!」

兵士「……では、どこの出身だ」スッ

ジャン「ん?」

兵士「出身地と名家であるという証拠を別の形で示せ」

ジャン「ん??」

兵士「できないのか……?」

ジャン「で、できるよ! もちろん! 我が家系は先祖代々アデル王と関係を持っていて」

兵士「ほう」

ジャン「そ、それから、えっと、アデル王と親交が深くて」

兵士「ふむ」

ジャン「……アデル王と仲がすっごくいいんだ!!」

兵士「で?」

ジャン「ん??」

兵士「だからなんだ?」

ジャン「いや、だからさ、そんな凄い貴族ってことで、ここはひとつ」

兵士「なにひとつ証明になっていないのだが?」チャキ

ジャン「矛先って人に向けたら危ないと思うんだ」

メイド「――……これ。なにをしているのです、城門前で」テクテク

ジャン「(ん? あいつは……)」

兵士「こ、これはこれは。姫様専属の……職務に励んでいたのであります!」ビシッ

メイド「貴方は品格を落とすのが務めですか」

兵士「いえっ! 不審者を取り締まり! 王と場内の安全を確保するのが務めであります!」ビシッ

メイド「こちらが、不審者……」ジー

ジャン「(ま、間違いない! あの凶悪姫と小さい頃から一緒にいた……! 俺がいじめられてたのをほくそ笑んでいたメイド……!)」

メイド「城の者が失礼致しました。貴族様と見受けられますが、本日はどのような」

兵士「メイド様! 騙されてはなりません! そいつは怪しいです!」

メイド「黙りなさい。この方がつけているマスクは由緒正しきマスカレードマスクではありませんか。贋作でもない、真贋です。なにを疑っているのです」

兵士「えっ? そ、そうでありますか⁉︎」

ジャン「(な、なんとぉっ⁉︎)」

メイド「……大変失礼致しました。兵にあまり学はないもので」ペコ

ジャン「……いやっはっはっ! いい、いい! 私も身分証をついうっかり忘れていてね!」

メイド「まぁ……それは」

ジャン「だからそこの兵士くんが疑うのも当然よ。責めないでやってくれ」

兵士「……っ! し、失礼いたしましたぁっ!!」ペコペコ


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