378: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/01/27(土) 12:17:58.27 ID:sYFh7cGeO
【クイーンズベル城 城門前】
勇者?「はっはっはっ、いやぁ、今日も暑い中ご苦労だねぇ!」
兵士「ん……?」
勇者?「失礼。私は名家出身である、ジャンポワール・ルネッサンスというものだが」
兵士「は、はぁ」
ジャン「気軽にジャンと呼んでくれたまえ」
兵士「……」ジー
ジャン「(バレませんようにバレませんようにバレませんようにバレませんように……!)」
兵士「……本日はどのようなご用件で?」
ジャン「(キターーー! ばあちゃん感謝!!)……この城の中に知り合いがいてね」
兵士「はぁ、お知り合いですか。それならば名簿を」
ジャン「いい、いい。私は貴族でありながら庶民の苦労を汲みたい」
兵士「……?」
ジャン「いや、だからだね、手を煩わせるのも悪いだろう?」
兵士「あ、あぁ。いえ、これも務めですので、お名前を教えていただければ――」
ジャン「申すな申すなぁ。せっかくこちらが気を使っているというのに」
兵士「……」
ジャン「……」ゴクリ
兵士「――……あ、ありがとうございます。実はちょうどそろそろ交代の時間で」
ジャン「そ、そうだろう⁉︎ そうだろう! 気にしなくていいんだぞ⁉︎」
兵士「お優しい貴族様で。あの、それでなんですが城内に入るということで?」
ジャン「無論だ。じゃないと自分では探せないからな」
兵士「無許可で通すのはちょっと。そうだ、本日は身分証をお持ちでいらっしゃいますか?」
ジャン「み、身分証?」
兵士「はい。貴族様であれば、身分を証明するものをお持ちですよね?」
ジャン「も、もちろんである!」ゴソゴソ
兵士「……」ジー
ジャン「あ、あれぇ〜? どこやったっけなぁ……わ、忘れちゃったかなぁ?」
兵士「……忘れた?」
ジャン「い、いやぁ〜ついうっかり。忘れるなんて慌てん坊さん! てへっ!」
兵士「貴様……」チャキ
ジャン「な、なんでせう?」
兵士「貴族が身分証を忘れただぁ?」
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