336: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/01/23(火) 14:22:07.21 ID:1oCodxxaO
【クィーズベル城 玉座】
学者「こ、国王さまぁ〜〜っ! 国王さまぁ〜っ!」バタバタ
大臣「騒々しいぞ。国王様ならあちらに。御前である」
学者「はひっ! ひっ、ひっ、ふぅっ……ふぅ……なにしろ、取り急ぎお伝えしたいことが」ドゲザ
国王「よいよい。申して見よ」
学者「水が枯れた原因がわかりませんっ!!」クワッ
国王「……」ズルッ
学者「どうしたらよいのでしょうか⁉︎ 国王さま!」
国王「おまっ、そこは普通わかりました! じゃろう」
学者「そ、それが……水は止まっていないはずなのですぅぅ」
国王「なに……? どういうことじゃ?」
学者「一週間前に派遣団を結成いたしておりまして、地奥深くに流れる水脈を調査開始致しました」
国王「知っておる。余が承認したからの」
学者「そ、その結果、水が、逃げていることが判明致したのです」
国王「逃げとるじゃと? 枯れたではなく?」
学者「そ、そうなのでございます。棒を突っ込むと先端は濡れておりまして。ならばと思いそれを目印に掘り進めど水は一向に出てこず」
国王「……んぅ〜?」
学者「本来ならばそこに在るはずの水源がないのでございます!! 我ら学者一同頭を抱えておりまして」ペラ ペラ ペラ
大臣「なにを広げておるのだ、勝手に」
学者「こ、これは調査記録でございます。井戸というのはですね、地層水と呼ばれるもので――」
国王「能書きは良い。水は、民この国にかかせない資源じゃ」
学者「は、はいィッ!」ビシィ
国王「“逃げている”、か。にわかには信じられん話じゃが、それで間違いないのか?」
学者「わ、我々も何度も何度も手作業で掘り当て……岩盤層が出てくると爆薬を使い、そしてさらに掘り進みましたが」
国王「……ラチがあきそうにないのぅ」
学者「も、もうしわけまりませんんんんっ!!」ドゲザ
国王「大臣よ。水売りにきている者たちはどうじゃ? 暴利をふっかけてきておらなんだか?」
大臣「今のところは。しかし、最近は、なにやらどうも出し渋りはじめてきたようで」
国王「もう二週間にもなる。長期的になると薄々感づいてきておるのかもしれんな。商人の嗅覚は侮れないものよ……」
大臣「足元を見られるわけにもいくますまい」
国王「同時に、国王が圧力をかけるなどあってはならぬことよ。いくら困っているとはいえ、商人には商人の道理があり、権利がある」
大臣「国の一大事に発展するとならば話は別っ! 水! 水なのですぞ! ない生活など不可能です!」
国王「なにか妙案はないものかのぅ」
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