255: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/01/18(木) 20:11:57.45 ID:0bN6bfFxO
【森林】
妖精「ねぇ、ニンゲン。なにを知りたいかわかんないけど、勇者じゃないと無理だよ?」
勇者「元気でな、スラリン」ナデナデ
スラリン「ピッ!」スリスリ
妖精「聞いてるのー?」
勇者「ちゃんと聞いてるよ。お前らもいきなりお邪魔して悪かったな」
スライムベス「……ピッ」
勇者「わはは。そんな簡単にゃ警戒心解けないか」
妖精「当たり前。スライムが懐くなんてありえないんだから」
勇者「人間だって同じだよ。いきなり分かり合える人なんてなかなかないないもんさ」
妖精「種族の壁があるってわかってないの? モンスターと人間ってそういうもんじゃないでしょ?」
勇者「まぁ、そうだけど。大事なのは調整であってだね」パンパン
妖精「ほんっとーに変わったニンゲンね。向いてる方向が違うのに調整もないわ。宗教みたいな統一思考でもない限り無理よ」
勇者「“私こそが魔物と人間をつなぐ架け橋である!! 皆の者! 手を取り合おう! 争うのをやめるのだ!” 」スラッ
妖精「い、いきなり剣を抜いてなにやってるの? 気でも狂った?」
勇者「やってみたかったんだ」チャキン
妖精「あながち間違いではないかも。夢という理想で覆い隠せば、人も魔物もいっときの幻想に溺れるかもね。もちろん、反発もあるだろうけど」
勇者「やけに他人事じゃないか。人間と魔物が本格的な争いに突入すれば、精霊だって迷惑だろ?」
妖精「そうだけど、大きな流れの前ではなにやったって無駄だもん。争いはやめてっていってやめる?」
勇者「やめないねぇ」
妖精「魔物と人間ってどちらかが滅びるまで争いをやめないんだと思う」
勇者「……」
妖精「私は、傍観者としてひっそりと生きてくだけ。この子たちと一緒に」
スラリン「ピィッ!」
勇者「楽しそうでいいな」
妖精「一緒に住む? 私が見えるんだから考えてあげてもいいよ」
勇者「人生プランの選択肢のひとつとしていれておくよ」
妖精「ほかになにがあるの? ……やっぱり、魔物を殺すの?」
勇者「いいや、ニート」
妖精「へ?」
勇者「無職とか遊び人」
妖精「ぷっ、きゃははっ! 変なの〜」
勇者「……グータラしたいんだよなぁ」
748Res/717.30 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20