262: ◆takaJZRsBc[saga]
2018/03/03(土) 22:02:07.17 ID:Ol4mcOtQ0
大神はすっかり元気になったケンイチロウの姿を見て目を開く。
大神「まさか……いや、そうか。これは夢なのだな。そうでなければ……」
ケンイチロウ「確かにこれは夢だ。だが、夢であって夢ではない」
大神「? どういう意味だ?」
ケンイチロウ「俺は現実でも病を治し、今は外の世界で元気に暮らしている。
それも、お前のよく知る者達の手によってな」
大神「……そうか。それは何よりだ」
大神(夢は自身の潜在的欲求が出やすいと言うが、誠だったな。……だが夢でもいい。
元気になったそなたと相見えることが出来たのなら、我はもう思い残すことはない)
ケンイチロウ「馬鹿なことを考えるなよ」
大神「……我を止めにきたのか?」
ケンイチロウ「そうだ。道場の人間達は無事だ。俺を救ってくれた彼らの手によって
救出された。だからもうお前が手を汚す必要はない」
大神「ありがとう。たとえ夢でも、そう言ってもらえれば我は救われる」
ケンイチロウ「信じていないようだな。……当然か。ならば拳で語るのみよ」
構えるケンイチロウ。
ケンイチロウ「構えろ、さくら。俺がお前の目を覚まさせてやる」
大神(最期にケンイチロウに会えた上、手合わせもするか。我が考えていることといえ、
都合の良すぎる夢だな。……だが、今は夢でもいい。醒めてくれるな)
大神「受けて立つ」
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