六花「勇太をなんとしてでも独占したい!」
1- 20
8: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 22:49:13.31 ID:6rZ5mY140
ところで、時間。あ、そうだデートコースどうしよう。エスコートする時間も場所も、あのときに最終決断してればよかった。全くない。
勇太「六花。話したいことがあるんだけど。今日のデートはどこがいい?」
六花「う〜ん。いろいろあるけど〜」
勇太「動物園?遊園地?植物園?豪華客船?ビル?都市部?それともほかのところ?ナガシマスパーランドでもいいぞ?」
昨日の晩羅列した項目を滝を流すように話すが、六花はそんなことは聞いていない。
六花「公園に行きたい!」
え〜!一週間待ってそれ!毎回行っているじゃん!赤字になっても行く気はあるのに!
もう人生に疲れて、人生ごと休みたい気分なので六花にお任せすることにした。
でも、六花がそう望むなら仕方ないやと思い、俺よりも本人の幸せを優先した。
これが宇宙で一番のデートか……なんかどうでもよくなってきちゃった。

かくして、外に出た俺たちであった。なんだか特別なんてない。ほんの日常。
別に期限は今日じゃない。明日でも来週でもいいし焦らずゆっくりやっていこう。それが俺たちの恋愛スタイルだ。となると一年後までひょっとしたら許可してくれるんじゃないかな。いや怒るよな丹生谷。
薄暗いマンションから出ると、外は光に包まれて、デート適正ばっちしの、偽りのひとつもない雲一つない青空一色の快晴だった。太陽の生暖かい抱擁してくれる母のような日差しが、俺たちの気分を活発的にさせる。長袖だけど風も11月にしては心地よいし、奇麗に彩られた新鮮な緑の草木が俺たちの行く道を迎えてくれる。俺たち二人だけでは釣り合わない素敵な世界を、贅沢にも横断し散策している。
六花「ゆうた危ない!ケーニギン・デア・ナハト!たああ!ふぅ、アタッカーのシールド転換に間に合った……。気を付けて!奴はレーザー使い。不可視境界線の管理局から送られてきた幹部候補のエージェント。耐性のある私の武器で反射を返せるがゆうたでは軽く肉バラにされてしまう!くっ、逃げ足の速い奴め!」
六花「いるんだろう?でてこい。確かに君は強かった。それは私も事実として受け入れよう。だが実態のフォルムを解除し空気中に離散しても、私の持つこの邪王心眼の真の力には透明などとっくお見通し!いでよ!!堕天より生まれし漆黒を大地に開放し、邪悪なサバトの全魔力を吸収したイービル・アイ!!!!頼むぞ、ミネルヴァの可動領域……ダーク・インフェルノ・ファイアバーニング!!!バアアアアアアアア!!!!」
六花「はぁ、はぁ、はぁ。激しい戦いだった……。奴の気体は蒸発した。二度とここには戻らない。呪術に洗脳されし気体より解放されし被害者の魚がボスニア海に姿形共にリターンしたが。なんとかわいそうな奴だ、ちゃんと幸せになるんだよ。今日も地球は救われた。うん、見晴らしがいい!」
とまあ誰も頼んでいないのに地球を救ってくれるのである。
俺は普通に歩きたいけど許さないらしい。ローラーシューズで、まるで俺の足の遅さをおちょくってるかのように六花は俺の周りをグールグル回っている。虚無な外でも元気な奴だ。「ごめん朝約束破って」と言ったがそんなことを聞きすらしない。
六花「勇太みてみて!」
こけたら危ないぞーと言う前に、駐車場の六花は半歩下がって三回転しフィギュアスケート技を披露しお手前の体の柔らかさを見せつける。その後全身を軽く上げて駐車ブロックにふわっとあがり「ほっ!」と笑いながら重力に落ち、それだけじゃなくブロックの左右を、体重をかけた急ハンドルでかわすドリフトで華麗に乗りこなした。最後のブロックを過ぎると一周小回りし体位置を合わせた後、股を強く広げシューズに負荷をかける。
とまって俺を見た顔が最高にスポーティーだ。
六花「どう!?どう!!?」
勇太「かっこいいよ!マジでかっこいい!!!」
言葉で言い表せないほど運動神経抜群だと理解させられるあいつの秀才さが目に見える。まるでプロの滑走をみているかのように無駄のない動きで鮮やかで美しい。
六花「よし、ついに完成したぞ……。これでいかなる闇の組織の銃撃にも無効になる!日ごろの成果を貫徹で、闇の使い手すら唾をのませたということは信憑性が外部から見ても高いということ!つまり完!」
勇太「お前のそういうところで株がガタ落ちしてるんだぞ」
六花「私のSスキル(素早さ)は4から5にレベルアップした!」
勇太「目で分かるのかよ!ああその前におめでとう。じゃなくて!」
六花「溜まったスキルで新たなスキルを開放できる。スキル解放!ダメージ転移!このスキルは自分の弱点を相手に転移することができる!宿題よ!消え去れー!」
勇太「まさかお前やってないのか?」
六花「くそっ、頭から囚われし過去が消えない。錬成失敗か……。うう、体中から血が噴き出してくるー!」
勇太「だーめーだ、もう写させてって言われても愛想が尽きたからな」
六花「そんな……。以前、錬金術で焼き殺したはずなのに、なぜ!?」
勇太「宿題は何度も蘇るわアホ!」
俺は六花の頭を毎度恒例本日初めて頭チョップすると、六花は「痛いよゆうたー!」といつもの涙目で返事してくれるので嬉しいというか安心するというか。
六花「こんなゾンビみたいなやつが正体だったとは……。もっと本体を焼く必要があったか。ゆうた、失われた遺骨”ドクロ”を持ってきてほしい。奴は液状の変異体。私の手布が未熟だったこともあるが。このまま放っておくと生易しいもんじゃない。おそらくこの町にとってまずいことになるよ、いいの?」
俺は遠くで土をついばみよいしょよいしょと頑張っているスズメに愛らしさを感じる。
六花「あーんゆうたー!」
あー、めんどくせ。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
95Res/303.64 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice