75: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:34:49.30 ID:6rZ5mY140
深く抱きついて。体の温かさを分かち合った後に、また黄緑の光柱を一緒に眺める。
六花「不可視境界線……」
勇太「うん……綺麗だ……」
六花「ねえ。不可視境界線に行ったら、確か何でも願う。そうだよね……?」
勇太「あ、ああ……。そうだよ。どうしたんだ?」
すると六花は立って、眼帯を外して、黄緑色に燃え盛るまっすぐな光に、メガホンのように手を当て、静寂な夜に大きく呼吸を吸うのが分かった。
六花「パパー!!!パパいるんだよねー!!この気持ち届いているんだよねー!!!私に大好きな人ができたのー!!!パパと同じぐらい強い人なのー!!私が泣いてもすねても一緒にいて嬉しいのー!!!パパのこと疑ってごめん!!!でも会えると思ってたー!!!!パパに言いたいことあるのー!ゆうたと私は!!!!」
六花「結婚します!!!!」
六花「今すっごく幸せだよ!!!!!この世にないぐらい幸せだよ!!!!パパ、私を産んでくれてありがとう!!!!!ゆうたのことずっと守るからー!ずっと愛しているからー!!!!パパのことずっと忘れないからー!!!!!」
六花「パパ!!!!ありがとう!!!!!!!!また会おうね!!!バイバーイ!!!!!!」
六花「はぁ……。はぁ……。はぁ…….。けっほけほっ。はぁ……」
その言葉を横に聞いて、俺は思わず顔が赤くなった。火照りながらも。
勇太「それじゃ俺も……」
六花がこちらを見つめた。彼氏としてご挨拶しなきゃな。
勇太「俺は富樫勇太と言いますー!!!はじめましてー!!!!このたび六花の彼氏となりました!!!!!六花はできないところがたくさんありますがー!!!!でも愛だけは世界中の誰を探してもいません!!!!そんな六花が俺のことを愛してくれて幸せですー!!!!!俺達は結婚します!!!今日の試練を乗り越えて決めましたー!!!!何があっても絶対に守ります!!!!!絶対に幸せにします!!!!!だからお義父さん!!!」
勇太「ずっと空で俺達のことを見守ってくださいー!!!!!!!!!」
荒い呼吸だけが残り、その雄たけび声が緑の柱に響いたのを確認した。
六花を見ると、泣いていた。顔を隠して泣いていた。静かに泣いていた。
俺は六花を優しく抱きしめた。耳元で愛してるって小さく言って抱きしめた。
抱きしめが強くなった。苦しくなるほど。夢に見た六花との抱きぐあい。
体が温かかった。責任を持った愛は、今までより最高に温かかった。嬉しかった。
六花「愛してる……ゆうた……」
その泣いた大粒の冷たい涙に連られて俺も涙をたくさん落とした。
この一瞬しかない愛情。これが愛なんだ。今までの関係の崩壊から漏れた愛。
大切にしたい。俺は六花の頭を優しく撫でた。その体がまた小刻みに震えて嗚咽を漏らす。
六花の涙がぽたぽた草に落ちて今度は六花が俺の頭を撫でてくれた。
俺も嬉しくて涙がでた。俺の存在が許された気がした。大変多くの粒が落ちた。守られるのが嬉しいなんて今まで感じたことがない。
胃のぎゅっとしまる締まりが弱くなった。だからまた泣いた。
すごく嬉しい……。すごく嬉しい……。
どちらの愛が強いかなんてわからない。互いに尊敬しあうのが嬉しかった。
六花のぬくもり。六花の匂い。六花の涙。ずっと忘れたくない。
二人でその抱き合いを、その熱が終わるまで、長く、長く、温かく愛し続けた。
俺達は何の微動だもなく静かになる。そして抱き合いを解いた。
六花をずっと愛したい。もっと感じ取りたい。
俺は六花にキスをしようとすると、六花は俺の唇に人差し指を当てた。
六花「ダメっ。これからずっと楽しむの」
その姿がやけに大人っぽかった。俺の瞳が揺れた。頬が赤くなった。六花に何もできない尊敬の色気を感じた。
そうだな。これからだよな。お菓子の欲しかったおまけは、お菓子を食べてからだよな。
その意図が分かると俺はニヤッとして、六花もまた微笑んだ。
初めて先を越されたような気がした。六花は成長しているんだって嬉しくて胃がもぞもぞくすぐったかった。
でも、最高に幸せだった。
二人で、奇麗な不可視境界線を眺め続けて、いつまでも光るよなって感心する。
あっ……。その光が山の下から溶けてなくなり、やがて上も、黄緑色の光柱がなくなった。
その光景を二人で見る。
六花「綺麗だったね」
勇太「光ってたな。こんなあり得るんだ」
そうだ。
勇太「また……会えるよな?」
六花「終わりはないよ。ゆうた」
そうだね、と笑って返した。
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