31: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:03:51.84 ID:6rZ5mY140
はぁ!はぁ!はぁ!!!急いで階段を2つ股飛びし最短ルートで自転車置き場まで直行する。陸上選手もびっくりだ!荒い息でめまいがしてきた。事故現場を見ると、案の定転げた自転車の山ができてるよハハッ……。その中に3台上がった自転車と六花がいたので話さずにはいられなかった。
勇太「大丈夫か!」
六花「平気。鍵は見つかった?」
泣き言……言わないんだな。
六花「手に挟んだだけ」
勇太「いやいやまずいだろ!六花の身にあったら!」
そういうと六花はなぜかクスッと笑う。
六花「ほらこれ。なんでもないよ♪ふふっ」
勇太「うん分かった。でもな、あーあ。これ全部……こりゃ大変だな」
六花「大丈夫だよ。私が起こしたことだし私がやる」
勇太「りっか……」
いやだ。なにか薄気味悪い。後で何か企んでいるんじゃないかと思いたいくらい信じたくない。意に反したい。俺は反対側の遠くの倒れた自転車に手を付ける。はあ、たくっ、せーのっ!一人でも大きいから重いなあ。
俺たち一人一人で罰ゲームを行っている。そして静けさが時間を踊る。
勇太「お前を見ているとチャップリンの喜劇ショーを思い起こすよ」
六花「格別笑わせる気はない」
勇太「そうかい」
大きいサイズの自転車を六花ではさすがにできなかったので最後のそこらへんは俺も参戦した。
勇太「いくぞ」
六花「うんっ」
勇太「せーのっ!」
六花「せーのっ!」
阻む自転車の中に俺の対面に六花がいて、その真剣な顔もまた好きになる。すれ違うはずの二人なのに、なぜか手に遠くにあるのに心が近くにあるように感じる。
俺と六花は最後の自転車をあげて笑顔になった。久しぶりひまわり笑顔だった。
六花の持ってきた俺たち所属の自転車にカギを差してストッパーを蹴り上げる。両手で押し上げ持っていくとチリチリチリいうタイヤが自転車らしい。眠りし最強の高速移動機体が今幕をあげようとしている。それも俺を背に乗せて。俺はそんなロボットアニメの演出に最高にムラムラする。これも男のロマンだよな。
じゃじゃーんという効果音がまるでつくような。
勇太「月下氷人ちゃん2号でーす!」
六花の方を向いてそう大声で紹介するとおおっーという思いで拍手をされた。恥ずかしいけどすごく嬉しい!昔の顔だ!俺の心の中で月と太陽がワルツを踊っている。いつもの調子に戻って何よりだ。
勇太「邪王心眼よ!このエヴァに搭乗するのは久しぶりか?」
六花「な/// 何ら問題ない!」
ふふっノってきてる、ノってきてる!かわいい!
勇太「よし。ベーシック・インプット・アウトプット・システム略してBIOS作動する!」
六花「オペレーション・システムとの連結を確認!システムレジストリ運動の特殊最大値をマッハ5まで引き上げます!」
勇太「右!左!問題なし!滑走路を確保してくれ!」
六花「了解!プロテクトモードドライバの解除!ミサイル(V5)を30発搭載します!本来の走行形態にチェンジしました!」
勇太「ライセンス契約の確認!走行ルートの外部遮断を世界中に発布!エヴァをF34に空中転換する特許を申請!」
六花「戦略防衛機構スターウォーズ計画の発動を確認しました!反射衛星砲SDIの衛生レーダーを宇宙カメラに挿入完了!出発は問題ありません!」
勇太「目標とのズレ、ラグランジュポイントでの確認。誤差0%未満!」
六花「小鳥遊六花 完了!」
勇太「富樫勇太 完了!」
勇太「六花……これで、いいんだな?」
六花「うん!」
夜空の中へ飛び立つ雰囲気の、揺れた髪から見えた、この笑顔は大好きだ。
薄暗い夜の何のそので、六花が後ろに乗り、俺は前になりそして兼操縦士になり、ブレーキは、うん、大丈夫だ。重くて硬いペダルを一歩踏んでいき、だんだん強くし離陸を図った。
六花は俺の背なかに手を回すという形でついていくことにした。ケースを前のかごに置いて。後ろの身長をぽっかり埋める誰にもバレるほど大きい、そんなブレードを六花の腹にロープでくくって、それが六花のキャッキャッという言葉を作り出した。
こうして二人で逃避するのも楽しいなって思うんだ。でもちょっと寂しい。
勇太「ゆうた!いっきまーす!」
六花「 あ! りっか!いっきまーす!」
ついでにチャリのベルも鳴らしておいた。
最後の青春として。
後悔していない。
俺たちの最後の青春が始まる。
未だに経験してないこと、どんなことになるんだろう。
希望を夢に乗せて。
ワクワクが止まらない。
きっとすごいことになるだろうな。
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